インプロビゼーション
こんばんは。
ロペスです。
子どもの頃、演劇が好きでした。
絵本の『エルマーの冒険』の劇でゴリラを怪演し、客席にどよめきを起こしたのが小学生のころ。
それ以来演技をする機会はほとんどありませんでしたが、才能は錆びずに私の中でひたすらその時を待っていました。
そしてその才能が花開く時が訪れます。
大学二年生の時のこと。
私はインプロビゼーション、通称インプロに出会いました。
今回はそのインプロビゼーションについて。お話をしていきます。
インプロとは?
インプロとは、即興演劇のことを指します。
台本がなく、その場の雰囲気や相手の発言、アイデアなどから演技を行うプログラムです。
簡単に言えば全部アドリブの劇。
元々は俳優の演技のトレーニングとして生まれたものですが、今では企業研修や学校のワークショップなどで取り入れられています。
『マスク』で有名な俳優、ジム・キャリーなどもインプロを取り入れています。
このインプロ、面白いところがあって「間違い」という概念がないんです。
台本がないからこそ、正解がない。
どんなアイデアも、発言も、アイデアも同等に価値がある。
「正解を出さなければならない」という呪縛に囚われた現代人にとって、この考え方は新しく、自分を開放するワークショップとして各地で広がりをみせているのです。
インプロとの出会い
大学二年生の頃、私は初めてインプロに出会います。
「ちょけ・ラテ」という、インプロのワークショップを行う団体の先輩とお会いし、よくわからないまま団体に加入しました。
メンバーの方々は優しい人ばかりで、本当に温かい場所で、今でも大好きな場所です。
ワークショップを行う大学時代の私
ワークショップも柔らかい、あたたかい、団体の理念を反映した優しいものでした。
参加者にほっこりしてもらって、元気になって帰ってもらう。
そんな活動に関われていたことを誇りに思います。
ワン・ピクチャ
様々あるワークショップの中で、私が一番好きなのがワン・ピクチャと呼ばれるもの。
簡単に言うと、制限時間内に出されたお題について静止画をつくるというものです。
まず4〜7人くらいのグループにわかれます。
次にグループごとにテーマが与えられます。
例えば「結婚式」
グループメンバーは指定されたテーマについて、5秒以内にその場で役になりきってポーズをとらなければなりません。
花嫁役をする人。
花婿役をする人。
神父をする人。
などなど。
当然配役がかぶることもありますが、正解がなければ間違いもない。
花嫁が二人いてもいいわけです。
「ああ、お婿さんお盛んなんだな」
で済みます。
またトンチをかましてくる人もいて、花嫁を奪いにきた男や、教会の十字架など、様々な配役が生まれるのも個人的に面白いなと思います。
ただ大事なのは「面白いことがいい」のではない、ということ。
面白くなくてもいいんです。
わけがわからなくてもいいんです。
そういったものを含めて受け入れるのがインプロです。
ポーズをとり終えたら、他のグループの人たちにテーマが何かを当ててもらいます
「運動会かな?」
「いや、球技大会じゃね?」
「でも二人向かい合って見つめ合ってるよ」
「あっ!結婚式!」
ってな感じです。
最後に、ポーズをとった人たちにインタビューをします。
「あなたは何ですか?」
と。それに対して
「私は花嫁です。」
と答えるわけです。
これで終了。
インプロの根底に感じるもの
インプロほど優しいワークショップを、いまだかつて経験したことがありません。
インプロのワークショップにある哲学として「Yes.And...」という考え方があります。
相手の考えを一旦受け入れ、そこに自分の考えをプラスしていく。
決して相手を否定しないこと。
こうした哲学が、インプロの根底にはあります。
自分の主張がどんな形であれ、その場に受け入れられるのです。
評価ではなく、承認で成り立つ場づくり。
そんなワークショップがインプロです。
自分はいつも、評価や正解や常識などに縛られてギスギスしている時、このインプロの環境に帰っていました。
そこで大事にしていたことを思い出すためです。
相手を受け止め、価値付せずに承認する。
毎回ここに戻る度、視野狭窄に陥って独善的な判断をしている自分をチューニングしています。
最近忙しくて参加できなくなりましたが、またインプロやりたいなあと、時々思います。
興味のある方、インプロで一緒に遊びませんか?
おわり