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日々の雑感

「真っ直ぐが好まれるこの時代に、あえて『曲げていく』というスタイルで勝負したい」【化粧器具:ビューラー】

こんばんは。

ロペスです。

 

 

一部からカルト的な人気を誇る「モノインタビュー」シリーズ。

ついに第三弾の公開を迎えました。

 

第一弾「洗濯バサミ」

「ユーザーにとって汎用性の高い商品でありたい」ー【日用品】洗濯バサミ - ロペペディア

 

第二弾「扉」

「守るために戦い抜く」【家具:扉】 - ロペペディア

 

「このシリーズなら金を出してでも読む」

 

とまで言わしめるロペペディアきっての人気記事。

元々はSNSでインタビュー記事を書かせてくれと募集をかけたのに、一人もリアクションがなかった」という、私に絶望的なまでに人望が無いことをネタにした記事でした。

それがここまで人気を博すことになるとは……。

本当に世の中のニーズってつかみにくい。

 

 

それでは「モノインタビュー」第三弾。

1年の締め笑いに、是非楽しんで下さい。

 

 

「ビューラー」

 

 

第三回目の今シリーズでは、はさみの形をした化粧器具「ビューラー」をインタビュー。

 

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正直言ってこの器具、使い方があまりわからない。

一体、どこをどうするものなのか。

 

謙虚なインタビューライター、ロペス。

自分の持っている知識に奢らず、専門分野外については他の専門家に教えを請うことをいとわない。

そこで今回は特別に「ビューラー」に詳しい専門家(彼女)にお話を伺い、貴重なアドバイスを頂いた。

 

「『ビューラー』とは、まつげの形状をやや上向きに屈曲させ、顔における『目』の存在感を際立たせるために使用する化粧器具である」(専門家)

 

なるほど。

全くわからない。

 

まゆげを曲げれば目が際立つ?

そうなの?

 

実際にやってみた。

 

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ちょっとくりっとしてる。

眼力は元からある方なので、あまりピンとこない。

やはり直接話を伺ってみないことには、わからない。

早速化粧台からビューラーにお越しいただくことにした。

 

 

覇道をいく

 

 

インタビューはお互い相手の出方を伺いつつ行われた。
普段関わり合う機会が少なく、相手のことをよく知らない者同士。
膠着状態が続き、部屋は緊張で重苦しい空気が満ちていた。

 

しかしここで私から仕掛ける。
元教育者ロペス。
初めて出会うクラスの子どもたちとも、持ち前のキャラクターで打ち解けて来た。

 

 

「いやー、以前から名前だけは存じ上げていたんですが、こういった形でお話するのは初めてですね。インタビュー、結構楽しみにしてたんですよー。」

 

 

まずは相手に好意を持っているという姿勢を見せ、懐に入り込む作戦。

いくら温度の感じられない金属器具といえど、相手に好意を示されたら黙ってはいられまい。

 

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ビューラー、沈黙の姿勢を崩さず。

思っていたより、ガードの固い相手なのかもしれない。

というか、金属だから材質的にも普通にかたい。

さらに金属の持つ特有の冷たさが「年末に無機物と会話している自分」という耐え難い現実を突きつけてくる。

 

辛い。

今すぐ辞めたい。

 

そんな弱音をぐっと堪え、インタビューを続ける。

寂しさがなんだと言うのだ。

洗濯バサミにインタビューした時点で、自分の人として大事な何かは失われている。

もはやこれ以上失うものは何もない。

 

不屈のインタビュアー、ロペス。

ここは作戦を変更し、砕けた感じではなく真面目な印象を打ち出していくことにする。

 

 

「かなり無骨なデザインをされていますが、世の女性から支持を集められていますよね。ユーザーデザインの面で、何か女性に受け入れられるような工夫などはされてるんでしょうか?」

 

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返事は無く、こちらをじっと見つめ返してくるビューラー。

やはり簡単に答えを引き出せる相手ではない。 

そもそも優れたデザインとは、説明がなくともユーザーに伝わるデザインのことを指す。

それを「このデザインってなんですか?」と問うこと自体「お前のデザインわかりにくいんだよ」と言っているようなもの。

 

マズい。

これは悪手だった。

すぐさま質問を変え、巻き返しをはかる。

 

 

「今のご時世、真っ直ぐであることが美談化されますが、その中であえて『曲げる』ことにこだわる理由を聞かせてください。」 

 

 

核心に触れる質問。

身じろぎひとつしないビューラーに、こちらも物怖じせずじっと見つめる。

 

インタビューでは沈黙がおとずれた際、その間に耐えられずに矢継ぎ早に話しがちだが、それによって相手の考える時間を奪ってしまっているケースも多々あると聞く。

 

粘りのインタビュアー、ロペス。

地蔵のようにじっと待つ。

相手に答えを急かすことのないように、表情はあくまで柔らかく。

にこやかにビューラーからの返答を待つ。

 

 

 

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永遠とも思える5分が経過。

すでに私の顔に表情はない。

「化粧器具をにこやかに5分間見つめ続けている自分」というメタ認知に勝てず、寂しさに心の中で涙する。

モノインタビューの際、絶対考えてはいけない「自分は何をしているんだろう」という問いに捕まりそうになる中、それを振り払って相手に助け舟を出す。

 

 

「真っ直ぐをあえて『曲げる』というのは、周りからの批判もかなり多いと思います。それでもなお女性のまつ毛を曲げ続けるその強さ。私はそこに感動しているんです。」

 

 

本来インタビューでは、インタビュアーが色を出すことを良しとしない。

あくまで主役はインタビューの対象であるビューラーだからだ。

しかし、相手の真意を聞き出すため、あえて自分の思いを伝えてみるというのも一つの手。

あまり使いたくはなかったが、今回出し惜しみをしていられる相手ではない。

持てるものを全て出し尽くし、全力で臨む。

 

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ビューラーは口を閉ざしたまま語らない。

ただ己の「曲げる」という在り方を示し続ける。

 

 

「どのような批判があろうとも、自分の目的を信じて疑わず、ただその為だけに存在し続ける」

 

 

そういうことかもしれない。

人に批判されようが、世の中の王道から外れようが、自分は自分の在り方で価値を生んでいく。

まさに覇道を行く化粧器具。

険しい茨の道をものともしないメタルボディは、部屋の照明を受けながら鈍く輝いていた。

 

 

「今日は貴重な時間をいただき、ありがとうございました。」

 

 

これ以上ビューラーから答えを聞き出すことが困難だと判断し、私はその場を去ることにした。

 

語らず、在り方を示していく。

これまでのインタビューと同様、語らずも自身の在り方や哲学を示していく「モノ」たち。

 

それに対し、安易に言葉に頼り、小手先のテクニックとアピールでで大きく見せている自分。

本当にこのままでいいのだろうか。

自分は今の在り方を誇れるのか。

 

年末のこの機会にビューラーと向き合うことで、大きく見せようとしていた自分を振り返ることが出来、また一歩成長できたインタビューだった。

 

 

 インタビューを終えて

 

 

辛い。

筆舌しがたいくらいに辛い。 

何が悲しくて実家に帰ってビューラーと話さないといけないのか。

大掃除で忙しい家族に

 

 

「俺、ビューラーと用事あるから」

 

 

と言って部屋にこもる25歳男性。

控えめに言って常軌を逸している。

 

 

ただ、ありがたいことに「うちの商品にインタビューしてほしい」というご依頼をちらほらいただいております。

来年は仕事で「モノインタビュー」が書ける予定なので、そちらもお楽しみに。

 

 

 

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