ロペペディア

日々の雑感

「守るために戦い抜く」【家具:扉】

こんばんは。
ロペスです。
 
 
ついに使うことになりました、伝家の宝刀。
「物インタビュー」シリーズ。
今回は私のプライベートを守ってきた一枚の扉にインタビュー。
扉に向かってひたすら喋りかける私へ同情しながらお読み下さい。
 


インタビュー5本目、飼い猫の訝しげな眼差しを全身に受けながらスタートです。

 

 

内界と外界を隔てる「壁」

 

 

今回は自室の扉にお話を伺いました。
 


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距離の問題で私の方が大きく見えますが、安心して下さい。通れます。 

 


長年私のプライベートを守り抜いてきた最後の砦、door。
静かな佇まいには「ここから先は通さない」という強い意志が隠れています。
下部には無理に中に入ろうとした侵入者との死闘の跡が生々しく残っています。
 
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あまりに多い爪傷が、その戦いの凄惨さを物語ります。
物だけに。
 


彼は侵入者に対して
「ここを通る資格を有する者か」
と無言で問いかけてきます。
資格を有しない者に対しては、無慈悲にその行先を阻む「壁」となるでしょう。
全ては内界の安全のため。
彼の仕事には主の帰りを迎え入れる優しさと同時に、時に他者を「拒む」という非情さが必要なのです。

 

 

外敵との度重なる戦い

 

 
インタビューを始めるにあたり、触れぬわけにはいかない箇所がありました。
前述した凄惨な死闘の跡です。

 

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戦いで負った傷

 


過去の傷について聞くのは勇気のいることでした。
しかし、角を持つ動物などは角に残る戦いの傷跡が勇敢さを物語るといいます。
傷については触れてはいけない。
それは私の狭い価値観からくる考えかもしれない。
そう思った私は意を決して質問しました。
 
 
「侵入者との戦いの傷跡・・・苛烈な戦いであったとお察しします。どのような戦いだったか、差し支えなければ教えて頂けますか。」
 
「・・・。」
 


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戦士語らず。
ただ戦うのみ。
そんなメッセージを、私は彼の背中(どっちが前かわかりませんが)から受け取りました。

身を呈してまで内界を守り抜く覚悟を目の前に、私はその戦傷から目を背けず、ただ黙って強く見つめ返すことしかできませんでした。

 

 

過去の拭いきれない汚点

 


しかし、そんな彼にも戦いの中で犯した過ちがあります。
「負けたことがあるというのが、いつかきっと大きな財産になる」という名言がありますが、彼は己を恥じているのか、中々その事を口にしません。
 
一流のインタビュアー、ロペス。
聞きにくいことを無理なく引き出し、読者に伝えるのが一番の腕の見せどころ。
相手もプロならこちらもプロです。
臆することなく核心に迫ります。

 

 

「今までの防衛戦の中で、防ぎきれなかった侵略者があったと聞きます。一体どのような強敵だったのでしょうか。」

 

「…。」

 

 

やはり話したくないことなのか、扉は答えません。

しかし、その一部始終を見ていた私は、扉自身から当時のことを聞き出して、扉自身の言葉として読者に伝える役目があります。

ここで引いたら漢の名が廃る。

さらに質問を畳みかけようとしていた正にその時、扉が敗北を喫した相手が現れました。

 

 

守りのプロをボロボロにした鋭い鉤爪、剥き出しの牙。

どんな環境にあってもバランスを崩さないという非常に優れた平衡感覚に、柔軟性と瞬発力を生み出す恵まれた体躯。

学名「Felis silvestris catus」

 

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通称ネコ。


さすがの扉もネコには歯が立たず、その侵入を阻むことができません。

いくら強固な一枚扉とはいえ、横からの攻撃に弱い、鍵のないスライド式扉の悲しい現実がそこにはありました。

 

 

限界を知った先

 

 

どうすることもできない現実に直面した時、我々はどうするでしょうか。

逃げるでしょうか。

諦めてしまうでしょうか。

 

確かにそうしてしまえば簡単です。

しかし、扉は扉であることを諦めた瞬間、扉でなくなるのです。

扉は扉であり続けるために、扉であることから逃げられない。

負けるとわかっていても、扉は扉である限り、扉として戦い続けなければならないのです。

限界を知っても、これ以上は無理だとわかっても、扉は決して引きません。

ただ、負けても負けても負け続けても、扉であることを証明するため、戦場に身を投じるのです。

そこにはもはや勝ち負けという概念は存在しません。

戦い続けるのに、結果は必要ないのです。

戦っている限り、全ては過程であり結果ではないからです。

 

先ほど私は「敗北を喫した」と書きました。

しかしそれは誤りでした。

扉は戦士です。

今なお戦いの最中に在ります。

戦うことをやめない限り、負けはない。

彼はこれからも私の部屋を守る誇り高き戦士なのです。

 

 

 インタビューを終えて

 

 

辛い。

なんか最後熱くなってちょっと楽しかったけど、辛い。

「俺が扉と喋ってる写真撮って」

と頼んだ時の親の表情といったらもう。

お母さんごめんなさい。

 

 

 

おわり