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日々の雑感

「心に余裕がないと、楽しめない」【教師】片山 敦夫

こんにちは。

ロペスです。

 

 

今回はインタビュー記事。

 

 

「お!物シリーズか??」

ropeth0313.hatenablog.com

 

と思った方。

断じて物ではない。

ましてやシリーズなどない。

あんなのしょっちゅうやってたらおかしくなる。

もう二進も三進もいかなくなれば、またするかもしれませんが、あれは伝家の宝刀です。

そう安々と使えるものではないのです。

 

ということで、今回のお相手は、片山 敦夫先生。

 

夏休みを迎え、人であふれる猛暑の古都「京都」で三回目のインタビュー、スタートです。

 

 

片山先生

 

片山さんは京都府中高一貫校で先生をしておられます。

教えている教科は理科。

理系というと研究室にこもってそうな、寡黙な人をイメージしますが、片山さんは気さくで話しやすい方でした。

 

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パスタを前に笑顔満開の片山さん。こんなに嬉しそうにパスタ見る人は初めて。

 

お互い昼食がまだだったので、一緒に御飯を食べながら話しました。

終始笑顔で言葉は丁寧。

人当たりも柔らかく、温かい人柄の方です。

 

ご飯を済ませたら場所を移し、インタビュー開始。

お互い襟を正して向き合いましたが、それでも場の雰囲気は柔らかく、とてもやりやすい空気感の中スタートしました。

 

 

なぜ先生に

 

 

ロペス:なぜ先生になろうと思われたのですか。

 

片山:小学校1年生、2年生のころの先生が一番大きなきっかけですね。当時いじめに合っていまして。僕は学級委員長タイプで、それを気に入らないと思う奴からいじめを受けていました。具体的に何をされたかまでは覚えていませんが、いじめを受けていたときの感覚は鮮明に残っています。

 

ロペス:そういうの、抜けないですよね。自分も似た経験があるのですが。

 

片山:そうですね。その時助けてくれたのが当時の担任の先生です。50前半の女性の先生で、田舎育ちでお兄さんと蛇を振り回して遊んだというやんちゃな話をよく聞きました。僕がいじめに合っていたときは、優しくずっと寄り添ってくれていました。何かあれば先生に頼ればいい。そんな安心感のある先生でしたね。

 

ロペス:寄り添ってくれるというのは。

 

片山常に背を合わせている感じです。見えないですけど、背中に温かみがある。そんな感じですね。

 

ロペス:うわ、めっちゃいい表現それ(笑)ストンと落ちました。

 

片山:その先生の様になりたいと思ったのが、教職を目指したきっかけです。

 

 

  「興味関心の芽」を逃さない

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スタバでもこの笑顔 

 

ロペス:教師をされていて、一番「やってやる!」と燃え上がるタイミングってありますか。

 

片山:雑談のときですかね。

 

ロペス:雑談・・・ですか。

 

片山:はい、理科に関わることであれば、拾ってとことん付き合います。それがその子にとって興味関心の芽だと思うんですよね。授業の中で、何らかの理由でそこに引っかかった。そこは絶対見逃さないようにしていますし、本人が納得するまで付き合うようにしています。興味関心の芽を教師がスルーしたら、そこで相手の興味関心が終わっちゃうかもしれないじゃないですか。だから絶対逃さないようにしていますね。

 

ロペス:それがご自身の教育観とも関わっていますか。

 

片山:そうですね、関わってきます。自分で大事にしているのは「応答」なんです。機械で例えると「レシーバー」。常にONの状態にしておく。いつ相手からアクションがあっても、リアクションできるようにしています。また単純に疑問に対する答えを教えるだけでなく、何かを載せて返したいと思っています。

 

ロペス:「何か」とは何ですか。

 

片山:例えば相手が質問をしてきたとする。それに対して答えを出すだけなら教科書や参考書で済むわけですよ。そうじゃない。そこに付録として様々な情報を載せて返したいと思っています。ですから付録も色々ストックしていますね。

 

ロペス:それは「面白さ」につながりますね。

 

片山絶対面白いでしょ!僕は理科が大好きですし、相手にもそう思ってもらえるといいなと思っています。相手が面白いと思える、そんな芽が出てきたチャンスは絶対に逃がさないです。

 

 

勉強できないことは何が不幸か

 

ロペス:ここで質問を変えて、片山さんは勉強ができない人って不幸だと思いますか。

 

片山:義務教育段階で言うと、偏差値50以下ということは、義務教育内容を理解できていないということじゃないですか。僕の感覚としては、解き方を知っているだけで何とかなる55くらいもその範疇に入るんですけど。そのレベルの人って、支援や補助を受けるための行政文書の読解力がないとか、金銭的な面で数字に弱いとか、そういった点で不幸だと思います。

 

ロペス:生活インフラの利用すら出来ない。

 

片山:そうですね。生きる力において大変だと思います。崖から落ちそうな時、つかめるものがあるのに不勉強のためにつかむことができない。

 

ロペス:いくら行政が支援を充実させても、そこにアクセスできるだけの基礎教養がないとなればその支援は利用できないですもんね。現場におられて、内容を理解できていない子たちってたくさんいますか。

 

片山:たくさんどころじゃないですよ。去年の内容を理解しないまま進級してきている人だらけです。義務教育の内容が怪しい人もいます。もし自分にカリキュラムや制度を触れる権限があれば、留年制度を導入して、ちゃんと出来てから次に進めるようにします。また、そういう人って客観的にものを見ることができないというか、自分の経験だけでしかものを見られないと思うんです。いざという時に、頼れるのが自分の経験しかない。勉強していれば、様々な知識にアクセス出来るし、先人の解決策を用いることが出来るかもしれない。

 

ロペス:確かに。そうなれば生きていく上で心強いですね。

 

 

余裕をつくる

 

 

ロペス:この先、教育がこういう方向に進んでいけば面白いのにと思うことってありますか。

 

片山:この進路に進みたければ、このような方法があるよというレールがプログラム化されて、それがたくさん創出されれば楽というか、楽しいと思いますね。

 

ロペス:楽ですか・・・。どうしても日本的な価値観で考えると「楽ばかりしていると楽しめない」「しんどいこともしなくてはいけない」と考えがちですが、効率化する意味というのは一体何なのでしょうか。

 

片山:もちろん、そういうことも大事だと思います。でもしんどいばかりじゃ無理ですよ。続かないです。心に余裕が無いと楽しくないでしょ。楽しいと感じるためには余裕が必要です。ですから楽するというのはとても大事です。

 

ロペス:その為に「効率化」をすると。

 

片山:そうです。楽できるよう余裕をつくりだす。また余裕ができればその分新しいことも出来るじゃないですか。次の発展のための余裕ができますよね。新しいことをする、効率化する、余裕ができる、また新しいことをする。このサイクルを回すことで成長していくのだと思います。

 

ロペス:他に何か余裕をつくるために心がけていることはありますか。

 

片山7割の力で生きることですかね。10割で生きつづけるのはしんどいですし、続かないです。ただ、この7割というのは手を抜いているという意味ではなくて、多分10割目指してやっても7割り程度しかでないだろうなという意味で7割です。そういう意味で言えば10割だそうと思えばそれ以上の努力がいる。限界を超えながらやり続けたら潰れますよ。そうならないよう、コントロールはしています。

 

ロペス:個人的に、10割出そうとしちゃうので、見習わせていただきます(笑)今日はありがとうございました。

 

片山:ありがとうございました。

 

 

 

子どもの興味関心の芽を逃さないという心の構え、勉強の意味、余裕の大切さ・・・。

示唆に富む話をお聞かせいただき、私自身本当に勉強になりました。

余裕をつくって楽しめるよう、自分もこの先気をつけます(笑)

 

今回のインタビューはここまで!

片山さん、ありがとうございました!

 

 

おわり