「子どもにとって『空気』でありたい。」【NPO法人自然体験共学センター理事長】細川 和朗
こんばんは。
ロペスです。
ライター業を始めてすぐ、「インタビューさせてください!」とSNSに投稿したところ、有り難いことに各方面からご協力をいただきました。
かけだしの頃(今もかけだしですけど)の私に声をかけていただき、本当に感謝しています。
ありがとうございました。
今回はその最後のインタビュー。
お相手は「わっくん」こと細川和朗さん。
畿央大学の先輩であり、当時私が関わっていた大学主催の「学習キャンプ」の先輩でもあります。
柔らかな物腰で、寡黙ながらもピンチの時は的確なアドバイスをしてくれる。
ここぞ!というところで頼りになる、安定感のある先輩です。
現在福井県で「NPO法人自然体験共学センター」の理事長をされていて、日々子どもの「ちょっとしたチャレンジ」を見守っているわっくんさん。
NPO法人自然体験共学センター | 「ちょっとチャレンジ」を応援します!
遠方のため、残念ながら直接お会いしてインタビューは出来ませんでしたが、昔と変わらぬ温かみのある声や言葉を聞けて心がほっこりしました。
駆け出しライターロペスのインタビュー最終回。
仕事終わりの深夜の一室で、Skypeでつながれたパソコンを眺めながらのスタートです。
野外活動との出会い
ロペス:お久しぶりです、わっくんさん!今回インタビューをするにあたってfacebookを確認したんですが、今NPO法人の理事長されてるって書かれていて、びっくりしました(笑)
わっくん:久しぶりやね。卒業以来かな?そんな大したものじゃないよ(笑)大学時代にやっていた野外活動の延長線上に今があるって感じだから。
ロペス:大学時代、確か吐山の奈良県立野外活動センターでキャンプリーダー(子どもの野外活動を支援するスタッフ。)されていましたよね?その後もずっと野外活動畑ですか?
わっくん:そうだね。その時の経験がきっかけでずっとこの業界でやってるね。大学の途中までは幼保(幼児教育)の勉強をずっとしていて、進路もそっちで考えていたけど、キャンプリーダーの経験をしてからは気がついたら進路が野外活動の方に切り替わって。卒業してからずっと今のNPO法人で仕事してるね。
ロペス:そもそも何で野外活動に興味を持たれたんですか?
わっくん:きっかけはロペスもよく知ってる大学の「学習キャンプ」やね。先輩達が授業の時にスタッフ募集の話をしに来て、それがすごく「面白そうだなあ」と思って、興味を持ってスタッフになったかな。最初は本当に不安とか何もなく、というか何をするかもあんまりわかってなくて(笑)とりあえず先輩について回ってるって感じだった。その時キャンプ本番で出会った野外活動センターの先生に誘われて、キャンプリーダーのボランティアスタッフとして活動を始めたっていう流れやね。
学習キャンプでの野外炊飯の様子。
ロペス:そうなんですね。学習キャンプ、周りで一緒にやっていた同期も後輩も、みんな言いますね。「あれは転機だった」って。自分もそうでした。
わっくん:ほー、多いんだね。自分はキャンプやる前は究極のインドア派で、引きこもりや不登校が5,6年あったりしたから、こういう活動をするタイプではなかった。企画を作ったり、周りの後輩をまとめたりするのも結構苦痛で。あんまり得意ではなかった。今でも覚えているのが、自分の企画を立案する際、先生に見てもらうでしょ?あの時にボコボコに言われて大泣きしたんだよね。先輩達にめっちゃ慰められた(笑)
ロペス:そうだったんですか!?全然知らなかったです(笑)
わっくん:そういう人前で泣くみたいな、感情を表に出した時受け止めてくれる人たちがいてくれたっていうのも自分の中では初めての経験だった。学習キャンプでは引きこもりがちで内向的だった自分が、周りの人達とコミュニケーションをとったり、気持ちをぶつけ合ったりする中で、大きく成長したなって思う。今でも内向的なところはあるけど、喜怒哀楽を出してもいいんだなって思えたのは、学習キャンプのお陰やね。
ロペス:その後奈良県立野外活動センターでキャンプリーダーとして活動されていたんですよね?
わっくん:そうだね。入ってすぐ2年くらいは長期休暇や大きなイベントがある時に参加していて、行きたい時に行くっていう、気軽なスタイルでやっていたかな。その時はキャンプに参加してる子ども達7-8人くらいのグループのキャンプリーダーとして関わっていた。3年生、4年生になるにつれて年数が上がって役割を任されるようになってからは、2泊3日の大きなキャンプ企画を企画作りから関わらせてもらったりしていたね。
ロペス:なるほど。現場から入って、企画、運営側に入って活躍されていたんですね。
忘れられないキャンプ
奈良県立野外活動センタースタッフ。
ロペス:野外活動をされていた中で、自分にとって大きかった、忘れられないキャンプ企画とかってありますか?
わっくん:グループリーダーとして関わったキャンプでいうと、奈良県立野外活動センターでのキャンプかな。「もっと野外活動を本気でやりたい!」って思ったきっかけになった、自分にとって大きなキャンプだね。当時の自分はグループの子どもたちをうまくまとめられなくて、事あるごとに声を荒げて怒っていた。それでも子どもたちはうまくまとまらなくて、自分の不甲斐なさや悔しさっていうものをすごく感じていた。また同時に子どもたちに「こんなリーダーでごめんね」っていう気持ちもあったね。
ロペス:わかります。うまくまとまらない時って、どうしてもイライラして口調が荒くなったり、対応がキツくなったりしてしまいますよね。で、その一方で「自分は何をやってるんだ」っていう自己嫌悪に陥る。
わっくん:うんうん、そうだね。このキャンプは失敗経験として自分の中に残っていて、もっとキャンプリーダーとして成長したいって思った大きなきっかけになった。キャンプの最後に子どもたちとキャンプを振り返る時間があって、そこで子どもたちの話だけでなく、自分も反省を話したりしたね。
ロペス:子どもの前でですか!?それって中々出来ないことだと思いますよ。教育者たるもの堂々と自信を持って正しくあるべきみたいな考えやプライドが邪魔して。そこで話せるってすごいことだと思います。
わっくん:どうだろう。ロペスもリーダーやってたらわかると思うけど、最後の振り返りって「キャンプ楽しかったね!いぇー!」みたいに楽しい話題で盛り上がって終わるところでもあると思うんだよね。でも自分はさっきも言ったように内向的な人間で、あまり盛り上げるタイプではなかったから、内から出てくる反省とか、そういった話題でまとめたかな。
ロペス:そうなんですね。それも一つの武器だと思いますけど。自分は盛り上げて「何か楽しかったな」だけで終わらせてしまうリーダーだったので、わっくんさんみたいに落ち着いてキャンプの経験を振り返る場を作れるっていうのは、本当に羨ましく思います。
東日本大震災支援活動「のびのびキャンプ」
のびのびキャンプ集合写真。
ロペス:企画・運営側の立場でされたキャンプの中で、忘れられないキャンプってありますか?
わっくん:東日本大震災支援の活動の一つで参加させてもらった「のびのびキャンプ」
かな。
福島県で被災した子どもたちと関わるキャンプなんだけど、一人の子どもに一人の学生スタッフがつくっていうマンツーマンスタイルで関わるんだよね。その企画の学生リーダーをやらせてもらって、色んな人たちと協力しながら、指示を出したり、動いてもらったりしていた。一人ひとりの子どもたちやボランティアの学生スタッフと関わる立場ではなかったから、全体を見てっていう視点だったんだけどね。
ロペス:学生リーダーですか!?要するに学生で一番偉い人ってことですよね?
わっくん:いや、そんなんじゃないよ。本当にみんなに支えられてリーダーをさせていただいていたって感じだね。たくさん助けられたし、自分ひとりでは出来なかった。
ロペス:わっくんさん、本当に謙虚ですよね。僕は絶対「自分がトップ張ってやってました」って言っちゃいますよ(笑)
わっくん:本当に「させていただいてた」だからね。メンバーあってのリーダーだと僕は思うし。企画として一人ひとりと関わるという機会はあまりなかったけど、全体と関わっていて、最後にみんなが大変なことやしんどいことを悩みながら乗り越えて、キャンプを終えた。その時に涙ながらの子どもとのお別れがあったり、ハグがあったりして、その様子を見た時は「やってよかったな」って思ったね。こちらからどうというわけでなく、スタッフや子どもたちから自然とそういう行動が現れるというのは、両者の間で感動が共有されていたのかなって思う。
ロペス:そういう場を作れるってすごいですね。中々イベントで一人ひとりに感動体験をつくるっていうのは難しいと思います。
わっくん:そこは僕が何かできたわけではなくて、本当に周りに恵まれていたなと思うところだね。さっきも言ったように、自分は「させていただいていた」だから。立場的には偉くなきゃいけない立場だけど、そうはありたくなかった。
ロペス:「偉くありたくなかった」というのは何故ですか?
わっくん:その人がいなくなったら何もできなくなるっていう状況をつくりたくない、っていうのが一番大きなところかな。やっぱり偉い人っていうのは、自分で全部してしまう。そうすると周りも頼りっきりになってしまうよね。だからメンバーが他人任せにならず、周りが自分抜きでもやっていけるようになるために、自分は偉くなくていいと思ったかな。
ロペス:なるほど。チームとしたら大事な視点ですもんね。ただ僕個人的に「自分がいなくても大丈夫」っていうのは、「お前がいなくてもやっていけるよ」と言われているみたいで、寂しい気持ちになるんですよ。だから逆に「お前がいないとやっていけないよ」と言われている方が嬉しいです。わっくんさんはそういう気持ちって無いですか?
わっくん:いや、やっぱりあるよ。もちろんその企画をやる以上は、自分がいた爪痕を残したいという気持ちもある。でもこれはお世話になった先生に教わったことなんだけど、企画のコンテンツってどこでやろうと似たり寄ったりでしょ?違いが生まれるのって、やっぱり人だと思うんだって。プログラムありきじゃなくて、その人がいたキャンプだからこそ価値がある、その人がいるからキャンプが楽しい想い出として残る。そう考えるとこちらが何をどう提供するかというよりも、在り方が大事になると思う。確かに「○○ができる○○さん」っていう方が印象は残しやすいだろうけど、自分は違う形で残そうと思ったね。
寄り添う関わり
現在のNPO法人自然体験共学センターでの活動。
ロペス:今までお話を伺ってきた中で、わっくんさんの人との関わり方に興味を持ったのですが、あまり積極的に引っ張っていく感じではないですよね。
わっくん:そやね・・・自分はあまりガンガン引っ張っていく関わり方はしないね。そういう積極的な性格じゃないし。
ロペス:そんなわっくんさんに聞きたいんですけど、「寄り添う」関わりってあるじゃないですか?自分この関わりがすごく苦手で、わっくんさんは答え持っているかなと思ったんで聞いてみたいんですけど。「寄り添う」って何でしょうか?
わっくん:寄り添うか・・・。一つは関わり続けるっていう「継続」かな。ときには距離を置いて、一人の時間をつくってあげるっていうのも大事。手は離しても目はかけるような関わり方も一つの関わり方だし、そういった距離を調節しながらも関わり続けることが大事だと思う。ずっと手をかけるんじゃなくて、出来るところは信頼して任せたり、期待をかけてさせてみたり、そういう関わり方もあると思うからね。
ロペス:距離の調節、大事ですよね。関わりすぎても駄目だし、かといって放任するのも無責任だし。
わっくん:そうだね。今って「やってごらん」って言える大人って本当に少ないと思う。何でも大人がやってしまったり、危険が無いよう先手を打って口を出してしまったりする。もちろんそれは子どもを案じてしていることで悪いことではないんだけど、子どもの成長の機会を奪いかねない。キャンプでも「子どもに任せてみよう」っていうスタンスに立てる大人ってどれだけいるんだろうって思うね。
ロペス:そこでさっと引けるかどうか、自分が出しゃばってしまわないかどうかってところですね。
わっくん:引くというか、我慢するに近いのかな。当然子どもに任せて大変な結果になる時もある。それをいかに受容できるか。その失敗を受容できて初めて「寄り添える」んじゃないかな。
ロペス:子どもに任せるって勇気がいるから難しいです。失敗したら怒られるのはリーダーだし(笑)だから先手打っちゃう。そこを子どもが挑戦できるように場作りするのは、本当にその人の器というか、心の許容量の大きさですね。
今後の自分
ロペス:最後に、これからどういった自分で在りたいか、どういったものを目指していきたいのかをお聞きしてもいいですか?
わっくん:これからの自分かー。今は一言で言うと「空気」でありたいなと思ってる。子どもたちのグループや、集団にとっての「空気」。「雰囲気」とも言えるかな。具体的に行動や仕組みを作るわけではなくて、目指す方向性を示し続けたいなと。でも、最後の責任は持っているんだ、ということも忘れずにいたいし。どうしても今の理事長って立場は、何でも決めて何でも形にできる立場だから、そういう自分を戒める意味でも「空気」っていうのを大事にしたい。
たまたま今の自分は好きが興じてこの仕事をさせてもらっているけど、本当に一人では何も出来ない仕事なのね。参加してくれる子どもたち、関わってくれるキャンプリーダーの人たち、色んな人たちの力を借りて初めて出来ている活動だからこそ、自分勝手でわがままでは駄目だと思う。もちろん自分のやりたいことも大事なんだけど、関わる一人ひとりの気持ちをしっかり汲み取ってやっていかないといけないなと思ってる。
ロペス:「空気」ですか・・・もう一貫してますね、わっくんさんの在り方。全然ぶれてない。逆に自分とはタイプの違うリーダーを見て、盛り上げたり引っ張ったりするやり方に憧れたりって経験はなかったんですか?
わっくん:もちろん憧れはあったよ。今もある。やろうと思えばそれに似たような持って行き方は出来るし、もっと出来るように頑張ろうっていう目標の立て方もあると思う。これまで以上にたくさんのことができるようになるのは魅力的だからね。でも「ないものねだり」よりは「あるもの探し」のスタンスだから、今は自分のタイプにあった方向で、突き詰めていきたいなと思ってるね。
ロペス:「ないものねだり」より「あるもの探し」かー。いいですね、そのスタンス。諦めではない割り切り方、めっちゃ好きです。今回自分にとってとても勉強になりました。在り方の話、寄り添い方の話など、本当に示唆に富む話ばかりでした。ありがとうございました。
わっくん:こちらこそ、話しながら頭の中が整理されて良かったです。ありがとう。
インタビューを終えて
仕組みや行動はもちろんのこと、「空気」として場を動かせるわっくんさんの在り方。
本当に勉強になりました。
「人としてどう在るか」という点について、深く考えさせられました。
また自分の中で長年課題だった「寄り添う」という関わり方についても示唆に富むお話をいただけました。
手をかけるだけが関わり方ではない。
時には任せてみることも大事である。
今後人と関わる時、こういう視点も自分の中の引き出しとして一つ持っておきたいなと思います。
わっくんさん、ありがとうございました!!
情報
今回インタビューをさせていただいた「わっくん」さんこと細川和朗さんが理事長をされてるNPO法人自然体験共学センターでは、子どもたちと関わるボランティアリーダーを募集しています。
ご興味のある方は以下のサイトから。
NPO法人自然体験共学センター
なら秋キャンプ/防災チャレンジキャンプ~ボランティア大募集!~ | NPO法人自然体験共学センター | 「ちょっとチャレンジ」を応援します!
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『保育士は誰にでも出来る』を考える。
こんにちは。
ロペスです。
ホリエモン、保育士について「誰でも出来る」とTwitterで発言し、プチ炎上になっていますね。
誰でもできる仕事だからです
— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) 2017年10月12日
「なんで保育士の給料は低いと思う?」低賃金で負の循環 (朝日新聞デジタル) - https://t.co/EuidhabdJ1
これについて、ちょっと考えていきたいと思います。
保育の難しさ
まず保育の仕事がどのようなものかというのを見ていきます。
実際自分も認定こども園というところで勤務していた経験があるので、その時の経験から思うことも合わせてご紹介します。
保育の5領域
保育所保育指針というものの中に、教育目標としてあらわされているのがこの「5領域」。
素人が傍から見れば、ただ預かって遊んでいるだけのように見えるかもしれません。
しかし実際は保育の専門家が考えに考え抜き、日々の実践の試行錯誤の中で行われているのが「保育」です。
現場の保育士がどのようなことを意識しながら保育を行っているか、この「5領域」がわかりやすいと思ったのでご紹介します。
「健康」
「健康、安全など生活に必要な基本的な習慣や態度を養い、心身の健康の基礎を培うこと」(保育所保育指針より)
・生活リズムを整える(昼寝の時間、食事の時間など)
・衣類の着脱(素早く正確に、たたみ方など)
・食事(好き嫌いなく食べる、フォークやスプーン、お箸などの食器の使い方、食べ方、食事中に席を立ったり食器を振り回さないといった簡単なテーブルマナーなど)
・排泄の自立(トイレットトレーニング、おしりの拭き方、排泄後の手洗いなど)
・病気予防(手洗いうがいの習慣、歯磨きなど)
・体づくり(手先のトレーニング、外遊びなど)
「人間関係」
「人との関わりの中で、人に対する愛情と信頼感、そして人権を大切にする心を育てるとともに、自主、自立及び協調の態度を養い、道徳性の芽生えを培うこと」(保育所保育指針より)
・友達との関わり(自分の思っていることを伝える)。
・自分で出来ることは、自分でやるようにする。
・きまりを守り、ルールを破らず遊ぶ。
「環境」
「生命、自然及び社会の事象についての興味や関心を育て、それらに対する豊かな心情や思考力の芽生えを培うこと」 (保育所保育指針より)
・五感を使って感じること
視覚(色の認識、風景)
聴覚(音、リズム)
触覚(柔らかい、硬いといった感触)
味覚(辛い、酸っぱい、甘い、苦いなど)
嗅覚(匂い、香り)
・自然の豊かさへの気づき
「言葉」
「生活の中で、言葉への興味や関心を育て、話したり、聞いたり、相手の話を理解しようとするなど、言葉の豊かさを養うこと」(保育所保育指針より)
・絵本や物語に触れる。
・話す、聞くなどの言葉を介したコミュニケーション。
・あいさつ。
「表現」
「様々な体験を通して、豊かな感性や表現力を育み、創造性の芽生えを培うこと」(保育所保育指針より)
・感動したことを伝える。
・自由に書いたり作ったりする。
・音楽でに親しみ、演じたりする。
こんなことをしてます。
これ、皆さん当たり前に出来ますよね。
ただ子どもが出来るよう教えるって、半端じゃ無いんですよ。
昼寝の時間、まあ寝ない。
保育士つきっきりです。
背中トントンします。
寝起きなんて1日の中で一番忙しい。
おねしょした子の布団やパンツを洗ったり、布団片付けて机や椅子を出したり、着替えの手伝いしたり、鬼のような忙しさ。
これを手早く、子どもを怒鳴りつけることなくストレスフリーにさせるベテラン保育士、すごいですよ。
排泄、3歳児おしりなんてろくに拭けません。
ケツにトイレットペーパーはさみながら出て来るわんぱくっ子もいてます。
冬は便座が冷たいといってトイレ行きたがらないですしね。
手先のトレーニング、これも大変。
折り紙綺麗に折れません。だいたい完成品はオブジェです。
はさみなんて触らせたらもう。
真剣な顔で指切ります。
おいマジかってなります。
怒鳴って、叱って、無理矢理やらせれば確かに出来ますよ。
でもそこは皆さんプロですから。
子どもがいかにストレスを感じず、楽しく出来るようにするか。
悩みながらも日々試行錯誤しています。
トイレ行きやすいよう、好きなキャラクターの絵をトイレに貼ったり。
お歌を歌いながらお着替えしたりね。
折り紙なんて、教えるの本当に難しいですから。
頂点なんて言葉知らないんですよ、子ども。
右と左の概念もまだあやふや。
谷折りと山折、どう教えます?
皆さんが普段行なっている「当たり前」。
生活習慣や礼儀、マナーなど。
これって勝手に身についていくものですか?
子どもに「当たり前」ってないんです。
何もかもが初めましての経験です。
それを「当たり前」にできるようにするのが、この時期の幼児教育なんです。
参考までに、実際に保育士が「遊び」をどのように工夫しているか、まとめられているサイトをいくつかご紹介します。
保育における子どもの社会性とイメージする力を育てる遊び
http://www.glico.co.jp/boshi/futaba/no80/con01_01.html
保育における遊びの概念について
「誰でも」の範囲と「出来る」の解釈
このホリエモンの投稿、保育士が誰でも「出来る」のではなく、保育士に誰でも「なれる」ならわかります。
資格取れればなれますからね。
その資格取得も、勉強に割ける時間、お金があってこそですけど。
あほだな。ちゃんと調べろよ。専門学校とか大学とか、通信制でも履修して研修うけりゃ誰でもなれんだよ。 https://t.co/AmsiRqjcAb
— 堀江貴文(Takafumi Horie) (@takapon_jp) 2017年10月15日
ちなみに彼からすれば、このレベルが「誰でも」にあたるそうです。
専門学校へ通える。
大学へ通える。
通信で勉強して研修を受けられる。
といった条件ですね。
これは「誰でも」満たせると。
「資格」の有無について。
それ自体が必要かどうかという話では、個人的に必要ないと思います。
ただ、それは「『知識・技術』が必要ない」ということではありません。
「私、何も知らないし出来ないけど、とりあえず頑張ります!」
って、どう考えても信用されないでしょ。
別にそういった信用が必要ない職業もあると思いますよ。
でも子どもの命預かるわけですよね。
食物アレルギーとか、栄養学の知識なくてやれますか?
下手におやつあげてアレルギーとか、マジで怖いですよ。
そんな知識無くて子ども発作起こしたらどうします?
エピペン打てるんですか?
この辺勘違いしてる人、多い気がします。
資格が無くても、知識・技術があって保育士に相当する力量があればそれはそれで構わないと思います。
知識・技術を証明するわかりやすいものとして「資格」があるわけですから。
証明する手段が資格の他にあるなら、資格自体の価値はなくなるでしょう。
ただ資格がなくていいからといって、ど素人が出来るかって言うと、それは違う。
というか、そもそも「出来る」って何ですか?
何をもって「出来る」って言えるんですか?
保育が「出来る」なんて、プロからも聞いたことないわ。
「どんな人でも、努力次第で知識・技術は習得可能で、実践を積み重ねるうちに理想の『保育』に近づける」
なら、しっくり来たんですけどね。
今回のホリエモンの投稿、後から発言の意図について詳しい説明があったのと、本筋が「給料が上がらない理由」だったこともあり、「保育士という仕事は誰にでもできる」についてはあまり議論がされていませんでした。
まっとうな議論が。
どれもこれも、反論が感情論でしたしね。
ということで、ちょっと専門的な内容を交えながら記事書いてみました。
「保育士さんって、すごいんだな」
って思ってもらえれば、幸いです。
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自分はこう回る【エデュコレ】
こんばんは。
ロペスです。
ついに始まりますね。
大規模教育イベント「多様な教育の博覧会ーエデュコレー」。
今まで参加したことないんですが、この機会に参加してみようと思っています。
知り合いもたくさん来るみたいだし。
ということで、今回は「自分はこう回る【エデュコレ】」と題しまして、自分なりのエデュコレの見方、みどころをご紹介。
是非参考にして下さい。
見方
見方は細分化すれば山程あると思うのですが、大枠を理解するためにまず抑えてないといけない点が3つ。
「目的」「手段」「評価」です。
まず最初のポイント「目的」。
どの教育事業においても「教育目標」「教育理念」「事業理念」「ミッション」といった、どういうことを実現したいのかという目的が設定されています。
言い方は様々ですが、要するに「教育によって何を実現するのか」という点です。
「自分の意見をはっきり言える」とか「我慢強い」とか、子ども像で表されることもあれば、「教育を通して、豊かな社会を実現する」「教育格差を無くす」といった、社会課題の解決をミッションにしているところもあります。
教育を行うにあたって、その子どもたちをどのような方向に成長させたいのか。
教育事業を通して、どのような社会を実現していきたいのか。
各教育機関によって課題意識に違いがあるので、そのあたりの差異を見ていっても面白いかもしれません。
次に「内容」。
「目的」を達成するために、じゃあどうするか、何をするのか。
「教育内容」「教育方法」「プログラム」「カリキュラム」「コンテンツ」がこのあたりになります。
大きな目的を掲げたものの、それを達成する手段があやふやであれば、それは当然実現できません。
それぞれの教育機関は目的の達成のため、世に数多ある教育の中から自分たちの目的に合った教育を選んで取り入れています。
フレネ教育、モンテッソーリ教育、生活綴方教育、問題解決学習といったベースとなるものをアレンジして、実際の現場で運用できるよう工夫がされています。
人間相手なので、マニュアル通りにやっていればうまくいくというものでもないのが教育の難しい所。
日々実践されている先生、スタッフの方々の試行錯誤の末たどり着いたのが今の「内容」です。
なぜその手段を選んだのか。
そういった点も学べると面白いのではないでしょうか。
最後に「評価」。
ここは自分が一番興味のある点なのですが、学問的に言うと「教育評価」というところになります。
学校現場では今や当たり前ですが、「指導と評価の一体化」というものがあります。
指導をやったらやりっぱなし。
その効果はろくに検証しない。
それでは教育として成立しません。
指導をしたからには、それがどのような効果を生み、どれだけの成果があったのかというのをはからなければなりません。
「効果あるかわかんないけど、とりあえずやってみた」
では話にならないですよね。
今に始まった話ではないですが、「教育の説明責任(アカウンタビリティ)」は厳しく追求されるようになってきています。
それぞれの教育機関がどのように評価をしているか。
その方法や規準(基準)を知れば、子どもを見る視点も増えて勉強になると思います。
みどころ
今回のイベントでの個人的なみどころをご紹介。
(尚自分は関西圏の人間のため、大阪会場のみどころ紹介となっております。)
・「西宮サドベリースクール」
こちらは以前インタビューさせていただいた鈴木一真くんの通っていたスクール。
ちなみに八ヶ岳サドベリースクールは東京で行われるエデュコレにブース出展していますので、興味のある方はそちらも合わせてどうぞ。
こちらの学校、全国のサドベリースクールを回る「サドベリーツアー」を毎年敢行している鈴木君によれば、一番サドベリーの形に近い学校だそう。
こういった学校は基本財政的に厳しく、ボランティアに頼らざるを得ないケースが多いのですが、こちらは正規スタッフを雇用できるだけの運営体制になっているのも特徴です。
サドベリースクールの説明はインタビュー記事の方にあるので、そちらを参照下さい。
特に自分が面白いなと思うところは、「どういう学校なのか、どういう方向に進んでいきたいのかは、スタッフの一存でなく子どもたちが決める」という点です。
その考え方からか、スタッフ雇用に関しても子どもの投票で決まるという、斬新なシステムになっています。
自分たちの成長のために(そもそも成長したいかどうかも子どもたちで考える)、どのようなスタッフが必要なのか。
そういったところから子どもたちで考えているのが面白いところ。
公教育に身を置いている人間からすると、中々触れる機会のない思想、システムなので、一見の価値があると思います。
こちらは学生時代からよくご縁がある学園。
以前インタビューに登場した岡村くんもここでインターンをしていました。
個人的に教育でしんどくなっている時、代表の藤田先生が相談に乗ってくださったことがありました。
温かい言葉やアドバイスなどをいただけ、自分自身本当に救われました。
「頑張りすぎないで『続けられるように』する。それが一番大事。私達にとって大事なのは毎日子どもとかかわること。一打逆転のホームランを打つ仕事じゃないからね。」
この言葉は今でも心に残っています。
社会人になってからは、これからの教育を学ぶツアーと称して見学に伺い、ツアー参加者一同を迎え入れてくださり、質疑応答にもていねいに答えていただきました。
こちらの見どころは何といってもスタッフの哲学。
一人ひとり自身の思想・哲学を持っていて、その話が深い。
機会があれば、積極的にお話を伺いに行きたいところ。
・Tera school
設立当初からSNSでチェックしていた事業。
友人の何人かもこちらでスタッフをしていたこともあり、よく話を聞きました。
代表の荒木さんは一度お会いしたことがあるんですが、博識かつ聡明な方で本当に勉強になりました。
お寺で教育をするという、斬新な形でスタートしたこの事業。
『学び合い』「探究型学習」「プログラミング教育」と、今ホットな教育の粋がプログラムに詰まっています。
自分も詳しい内容については伺ったことがないので、この機会に寄ってみたいなと思います。
・PaKT
大学時代、イベントでご一緒することが多かった秀士さんが代表をされている事業。
とあるイベントで
「川の石が水の流れによって磨かれるように、人は人によって磨かれるんだと思う」
というお話を伺った際には、心が震えました。
SNSでは、よく大学生スタッフ達が夜遅くまでミーティングを行い、頭に汗をかきながら子どもたちにとっていい教育とは何かを試行錯誤する姿があがっていました。
そうした想いをもったスタッフの一人ひとりがつくりあげてきたPaKT。
このイベントの場だけでなく、継続的にチェックしたいなと個人的に思う事業です。
・Teach For Japan
民間人を公教育の先生として現場へ送っている、ということから興味を持ったプロジェクト。
「教室から社会を変える」というメッセージからもわかるように、社会課題解決型の事業です。
外部からの干渉を嫌う公教育の現場。
そこに長年関わっているという点でとても興味があります。
プログラム内容や派遣される教師のことはもちろん、公教育機関との信頼関係形成について詳しくお話を伺ってみたいところ。
教育に戻る前に一度は行ってみたいと強く思っているプログラム。
洋上にて海外の教育を学んだり、そこに参加するアツい想いを持った教育者たちと関われたりととても魅力的な内容。
現在の職場の同僚がプロジェクトの設計に関わってたとあって色々話も聞けるのですが、本当に面白そう。
この機会に説明を詳しく受けてみたいなと思います。
・D.Live
学生時代の教育イベントでお会いした田中さんがされている事業。
設立当初、苦心しながら必死に立ち上げている姿をSNSで拝見していました。
「子どもの自信白書」という子どもの自尊感情や自己肯定感について学べる冊子を刊行しており、こちらは是非一度手にとってみたいと思っています。
今回のイベントでは、不登校の子どもにどのように関わっているのか、そのお話について伺ってみたいです。
おわりに
以上、エデュコレのみどころでした。
あくまでロペス個人の見方なので、そこはあしからずご了承下さい。
ここでは書ききれなかった素敵な事業はたくさんあると思うので、実際に足を運んでみて、またレポートを書きたいなと思います。
また特別企画でも、ESD(持続可能な開発のための教育)を推進されている住田さん、以前の上司であり現在教員の働き方改革で活躍されている杉山さん、海外進学者を多く輩出している箕面高校校長の日野田先生といった豪華三名の講演もあるので、そちらも楽しみにしています。
個人的に思うこちらの見どころは杉山さん。
以前の上司なのですが、大勢の前での一斉講義をよく思わない方なので、”何か”仕掛けてこられるんじゃないかなとわくわくしています。
それでは、エデュコレの盛会を祈りつつ、このあたりで。
イベントにご参加される方と関われる機会も楽しみにしています。
会場でお会いした際はよろしくお願いいたします。
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初仕事
今日、ライターとして初めてお金を頂いた「仕事」が終わった。
7月にインタビューをさせていただいて、3ヶ月推敲に推敲を重ね、先方とやり取りをしながら書き終えた「仕事」だった。
たしかにライターとしては駆け出しでひよっこだと思う。
文章も稚拙で批判を多くもらうことも、当然ある。
でも。
でもやっと「批判をもらえる」フィールドに立てた。
以前教師を目指していた時、模擬授業で大コケして笑われたことがあった。
しゃべりに自信があって、ちょっと専門書なんかもかじって読んで、いい気になっていた自分にとってそれはかなり手痛い評価だった。
その時、先輩の先生にかけてもらった言葉がある。
「人に笑われてからがスタート。」
挑戦しなければ失敗もない。
無難にこなしてばかりでは伸びしろもたかが知れている。
お前身の丈に合ってねぇんだよと、そう評価されればしめたもの。
それでこそ「挑戦者」だ。
そんな言葉だったように記憶している。
当時つけていた日記には「挑戦」だとか「誇り」だとか「夢」だとか、青臭い言葉が所狭しと綴られている。
読み直していると顔から火が出るほど恥ずかしい。
「挑戦」だとか「成長」だとか、熱いセリフを語っても誰にも相手にされなくなってきた社会人四年目の秋。
何度目の挑戦だよと蔑視されることがわかっていながらも、また「挑戦者」やっていきます。
初仕事のインタビュー記事はこちら。
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教育に使えるサイト10選【勝手にまとめてみた】
こんにちは。
ロペスです。
これまで認定こども園、小学校、塾と様々な教育現場を渡り歩いてきました。
どの現場も最初に入った時は右も左もわからず、授業方法に関する書籍やネット情報などを藁にもすがる思いで読み込み、日々の実践に活かしていました。
今回はその際に「助けられた!!」というサイトをご紹介。
是非参考にしてみて下さい。
授業方法・指導方法
- TOSSランド
言わずと知れた、教育技術の大御所「TOSS」のサイト。
代表の向山洋一氏の著書『授業の腕を上げる法則』は、教師であれば読んだことはなくとも知っている人は多いでしょう。
全国各地に勉強会が立ち上がっており、授業ノウハウが多く集まっています。
これはそのネット版。
実践例の数の多さはさることながら、質も高く、読みやすい内容にまとまっています。
- EDUPEDIA(エデュペディア)
こちらも授業技術や指導方法のサイト。
新任向けに内容が簡単にまとまっており、教員を目指す学生のための特設サイトがあるのも特徴的。
最新の教育時事、コラムなどが読めるのもおすすめポイントです。
- 西川純の研究室
世にアクティブ・ラーニングの考え方が出た際、この人なくしては語れないとまで言われた上越教育大学の西川純先生のサイト。
授業動画があるので、空気感や児童生徒の様子がつかめ、活字媒体よりわかりやすいです。
Youtubeではゼミの様子も公開しており、こちらでの各先生方や学生達との質疑応答も勉強になります。
- LITALICO発達ナビ
特別支援と言えばやはりここ。
株式会社LITALICO。
教育分野の研究者をはじめ数々の有識者が集まり、 学術的にも評価の高い会社です。
発達ナビはそのLITALICOのネットメディア。
障がいを抱えたお子さんの保護者の方の相談室などもあります。
思想・哲学
- 苫野一徳blog
熊本大学の苫野先生のブログ。
思想や哲学的な内容をわかりやすく解説してくれています。
書評なども充実しており、多忙で時間のない教師でも、名著の大枠がつかめるようになっています。
- いわせんの仕事部屋
学びの「個別化」と「協同化」の実践で有名な岩瀬先生のブログ。
こちらもマクロな視点で教育を学べるサイトです。
苫野先生と近いものがあるので、あわせて読むことをおすすめします。
映像授業・教材
- カーンアカデミー
世界的に有名な映像授業サイト。
代表サルマン・カーンのTEDでの講演は当時大注目を浴びました。
教師の仕事を奪うとまで恐れられた、新時代の教育の在り方を世に打ち出した人です。
内容は英語ですが、日本語訳もついており、ある程度の学力水準がある子は自分のペースですいすい進めていけるよう設計されています。
- eboard
こちらはカーンアカデミーと違い、純日本製。
代表の中村さんは一度お会いしたことが有りますが、気さくで人当たりがよく、個人的に大好きな方です。
基礎の基礎から、ポイントを絞ってわかりやすく作られている映像授業ですので、導入場面などで活用していました。
- 中学・学習サイト
こちらは演習プリントや参考書代わりとしてよく活用していました。
活字媒体ですが、図解もあり、説明がくどくなくわかりやすいのがおすすめです。
研修・セミナー情報
- SENSEI PORTAL
今週の土日空いているし、ちょっと勉強でもしようかなという時によく使っていました。
場所と日時、ジャンルで検索ができ、求めている研修がスムーズに見つけられます。
難点は教師向けに特化していて民間の教育者向けではないところ。
教員向けの研修サイトです。
以上勝手にまとめた10選でした。
教育関係者の方は是非参考にしてみて下さい。
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相談
こんにちは。
ロペスです。
最近「言外のコミュニケーション」というものに興味があります。
どういうものかというと、言葉そのものから伝わる情報だけでなく、言葉にのっかってくる当人の思想や価値観、意図や欲望などを考慮したコミュニケーションのことです。
例を挙げると
「この部屋暑いね」
という発言を誰かがするとします。
文字だけ読むと「ああ、この人暑いんだな」という情報しか伝わりません。
しかし、視点を変えればその言葉に「空調の温度を下げてくれ」や「場所を変えたい」という意図がのっかているのが汲み取れますよね。
日々色んな方と関わる機会の中で、そういったアンテナを立てて話を聴いているのですが、たくさんの気づきがあってとても面白いです。
今日はそんな気づきのお話。
「相手が求めていること」を捉える。
日々の生活の中で
「最近さー、しんどいことがあって、困っているんだよねー。自分では頑張っているつもりなんだけど、中々難しいよね。」
という相談、耳にすることが多いと思います。
みなさんはどのように対応するでしょうか。
「大変だね。その気持わかるよ。」と相手の気持ちに共感する。
「それはこうしたら解決するんじゃない?」と解決策を提示する。
人それぞれ対応の仕方があると思います。
ここで自分が大事だと思うのが「相手が何を求めているのか」を捉えること。
この相談者が真に何を求めているのかを捉えないことには適切に対応ができません。
「あの人全然私の気持ちをわかってくれない。」
「あいつに相談したものの、何も解決しなかった。」
そんなことになりかねません。
「しんどい」「つらい」という自分の気持ちに共感して欲しいのか。
「こうしたらいいんじゃない?」という何か具体的なアドバイスが欲しいのか。
自分は共感を求める前者を「カウンセリング型」、解決策やアドバイスを求める後者を「コンサルティング型」と分けて、適宜使い分けるよう心がけてきました。
この使い分けがうまくいっていない場合、相談者側は
「何でわかってくれないの!!(自分の気持ちをわかってほしいのに!)」
と憤り、相談にのっている側は
「お前のことを思ってアドバイスしてやっているのに!(改善する気あんのかコイツ・・・)」
と若干呆れたり、両者の中でコミュニケーションの齟齬が生まれかねません。
なので相手の求めていることが何なのか、アンテナを立てて丁寧に聴く必要があるんじゃないかと思っています。
「エンパワメント」
自分は今まで上述した通り、二つの観点を大事にしてきました。
しかし、最近それだけでなく、新しく三つ目の観点があるのではないかと考えるようになりました。
それが「エンパワメント型」。
気持ちに共感して欲しいわけではない。
何か改善のアイデアが欲しいわけでもない。
ではその人は一体何を求めているのか。
「困難に直面して尚頑張っている私」を褒めて欲しい、応援して欲しい。
そういうことを求めているタイプがいるというのを最近知りました。
エンパワメント型の対応は、場を盛り上げる際や相手をのせる際に有効に働きます。
安心感を得たり課題解決ができたりするわけじゃないんですが、何となく「やってやろう!」というテンションが上がります。
最近出会う何か新しいことを始めようとしている人は、こういった対応を求めているケースが多いように感じたので、学びとして記事にしてみました。
今まで二つの観点で人と関わっていましたが、これからこの新たな三つ目の観点を用いて、これまで以上に「相手の求めているもの」を見極めていきたいなと思います。
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今ある学校の中で、最も民主的な学校ー【八ヶ岳サドベリースクールスタッフ:鈴木 一真】
こんにちは。
ロペスです。
皆さん、子どもが自分で何を学ぶか、何で遊ぶか、自由に決められる学校があるのをご存知ですか。
もっと言うと、そもそも学ぶかどうか、遊ぶかどうかも自由。
ただその自由には責任が伴い、自己決定に対して自己責任がある。
ある意味とても厳しい学校です。
その学校の名前は「サドベリースクール」。
アメリカのボストンにある「サドベリーバレースクール」がその発祥です。
日本には、兵庫県にある西宮サドベリースクールを始め、東京、神奈川、北海道などでも、サドベリースクールの考え方のもと運営されている学校があります。
数は少ないながらも、情報感度の高い教育者から熱烈な注目を浴びる学校です。
私の友人の言葉を借りると「数ある教育の中で最も民主的な学校」であるサドベリースクール。
今日はそんな学校の一つ、「八ヶ岳サドベリースクール」でスタッフとして働く一人の友人のインタビューです。
※インタビュー内容はスクールを代表するものではなく、個人の見解です。
元サドベリースクール生、現サドベリースクールスタッフ
鈴木一真、平成4年6月生まれの25歳。
元西宮サドベリースクールの学生で、現在八ヶ岳サドベリースクールのスタッフ。
好きな色は緑色。
フレームの太いメガネが似合うナイスガイ。
彼こそ私の友人であり、今回のインタビューの相手です。
インタビューの前に彼の経歴を説明しておきましょう。
小学校6年間は公立小学校で過ごし、公教育で言ういわゆる学力的にも生活態度も「優等生」だった彼。
12歳の中学生のころから、学びの場を兵庫県の西宮市にある西宮サドベリースクールへと移します。
そこで18歳まで過ごし、自身が持った課題意識である「社会で働けるかどうか」を試すため一度企業へ就職。
その後、西宮サドベリースクールでスタッフとして三年間勤務します。
サドベリースクールのスタッフとして働くことに面白さを覚えた彼ですが、「どこのサドベリースクールでも同じように面白いのだろうか」という疑問を持ち、次第に西宮サドベリースクール以外のスクールでも働いてみたいという思いを持ち始めます。
西宮サドベリースクールスタッフを三年間務めた後、他のスクールへの就活をしながら民間の保育園で勤務。
そして2016年1月、山梨県にある八ヶ岳サドベリースクールのスタッフに就任し、現在2年目を迎えます。
今回のインタビューでは、彼がサドベリーに惹かれた理由、現在の活動、今後どうしていきたいかなどを中心にお聞きしました。
インタビュー5本目。
山梨県北杜市、緑豊かな山々に囲まれた環境に癒やされながらスタートです。
12歳の選択
ロペス:そもそもなぜサドベリースクールを知っていた?
鈴木:元々弟が体験入学や見学で行っていて、そこから聞いた。当時弟はあまり学校が楽しそうではなくて、母親が他の学校を色々調べて「こんな学校があるよ」と弟に紹介したのが始まり。初回の体験入学で、弟がスクールのみんなとカラオケに行ったと話を聞いた時にすごく驚いて。「そんなん行っていいわけないやん」と当時は思っていた。
ロペス:小学校6年間通い、卒業してすぐにサドベリースクールに入った?。
鈴木:いや、一ヶ月くらいは中学校に通っていた。中学校に行くのは当たり前のことだと、その時は思っていたから。ただ弟の体験入学の話を聞いて「そうではない選択肢」に可能性を感じた。そして興味を持って自分も体験入学に参加し、スタッフの人と話したことで、今まで持っていた価値観が崩れ去った。
ロペス:スタッフとはどのような話をした?
鈴木:あまり詳しい内容までは覚えていない。ただサドベリースクールについて説明されたと思う。その話から、それまで自分が持っていた「中学校、高校、大学と進んで就職」という価値観が当たり前ではなかったのだと気づいた。
ロペス:一般の公立中学校から、サドベリースクールへ通おうと思ったのはなぜ?
鈴木:単純にここでやってみたい。サドベリーって楽しそうって思ったからかな。あと、さっきの話であったけど、自分は今まで優等生で人から言われたことしかやってこなかった。その自分のスタンスのせいで小学校は全然楽しくなかった。この先中学校、高校と進んでいってもずっと人から言われたことだけやり続けるのかと考えた時に、「自分のやりたいことってなんだろう」という疑問を持った。それを考えたくて、サドベリーへ行ったというのが理由かな。
ロペス:それは公立の中学校ではできないことだった?
鈴木:当時自分の中では中学校は言われたことをやるものだという認識だった。それを覆して、中学校の環境で自由にすることは考えられていなかったかもしれない。サドベリーでは「全部が自分の時間である」というのが良かったかもしれない。
ロペス:中学校は自分の時間がないと?
鈴木:そう。カリキュラムを変えたりは出来ないわけだから。やろうと思えば数学の時間だけ授業を受けるとか出来たかもしれないけど、それをしようとは思わなかったかな。そもそも数学をカリキュラムとして組み込むかどうかというところから、自分で考えたかったし。
ロペス:なるほど。それで総合的に判断してサドベリースクールを選んだわけね。
サドベリースクールとは
ロペス:そもそもサドベリースクールって一体何なの?
鈴木:俺が行っていたのは西宮サドベリースクールで、それ以外のサドベリースクールに通っていたわけではないから、全てのサドベリースクールがどうかというのは説明できない。当時の西宮サドベリースクールの説明ということならできる。
ロペス:じゃあ当時の西宮サドベリースクールについて、聞かせてもらっていい?
鈴木:そうやな。初めて聞く人に説明するなら、時間割がなくて、テストといった評価がなくて、○○すべきといった価値観の押しつけもない。自分の言動は全て自分で決められる。学校の予算やどんなスタッフを雇うかという学校を作る話し合いにも生徒全てが関わることが出来る。ただその結果出てきた結果の責任は、全て決定に関わった子どもたちにある。そんな学校ですって言うかな。
ロペス:うーん。わかりにくいな。サドベリー行けば、何をして、何が出来るようになるの?
鈴木:それはな、スタッフが一方的に決めて子どもたちに押し付けるものではないと思う。子どもが自分で考える事じゃないかな。サドベリーに行って、何がしたくて、何が出来るようになりたいのか。それは本人が考えることであってスタッフが決めることではない。
ロペス:なるほど。子どもたちが決めるのね。
鈴木:ただ今回は俺への個人的なインタビューだから、個人として子どもがどういう時間を過ごしているのか、何を得られるのかは語って良いものだと思う。
ロペス:是非語って(笑)
鈴木:サドベリースクールでは子どもたちが「自分の人生を自分で決めている」んだと思う。それは評価という他者からの価値観の押しつけがなくて、子どもの人権が保証されているという意味で、実現できている。
ロペス:評価があれば人権は保証されないの?
鈴木:評価基準があって、ああしないといけない。こうしないといけない。そういうのがあると、その子自身の人権が守られていることにはならないと俺は思うかな。
ロペス:うーん、その点は公立学校現場にいてた俺からすると、評価が人権を奪うっていうのは、ちょっと納得がいかないところだけど(笑)今回はそこが主題ではないから、是非機会を改めて評価の話はしよう。
鈴木:そうやね。とりあえず説明はこんな感じかな。全体向けにするなら、一言で「子どもの自由を100%信頼する学校」って説明している。
ロペス:今までの説明を聞くと、その一言でもなるほどってなるな。
八ヶ岳サドベリースクールでの生活
八ヶ岳サドベリースクールHP
ロペス:次に今働いている八ヶ岳サドベリースクールについて、聞かせてもらっていい?
鈴木:今はここで働いて2年目で、設立当初のことは話で聞いているだけなんだけど。俺の着任1年目の仕事は、スタッフのやることを整理しようと思って、色んな役職や必要な仕事を洗い出した。それをスクールミーティング(子どもたちが議決権を持つ会議)で提案して、広報の担当とか、事務の担当とかを決めたかな。あと、その時初めてスタッフ選挙も導入した。
ロペス:子どもがスタッフを雇うかどうか決めるっていうあれね。サドベリーならどこでもあると思ってたけど、無かったんだ。
鈴木:そう。またスタッフの契約期間なんかも決まってなかったから、任期を1年って提案して決めた。それがないと明日にでも辞められちゃうし永久的にそのスタッフを雇用することになるかもしれない。それはスクールにとって良くないと思う。
ロペス:なるほど。そうやって徐々に体制を整えてきたわけね。それも一真(鈴木)の一存ではなくて、子どもたちのミーティングで出来上がってきたと。
鈴木:そこはすごく大事。スクールはスタッフの私物じゃないからね。
スクールミーティングの様子
活動の様子
選挙について
ロペス:ちょっと思ったんだけど、選挙制度って怖いよね。1年しか雇用が保証されてないわけでしょ。そこのところ、どう思っているの?
鈴木:確かに1年で職を失う可能性はあるけど、自分はあまり恐怖だとは考えていない。現時点でスクールにとって一番良いスタッフを選べる制度だから。
ロペス:スクールにとってはね。一真(鈴木)にとってはどうなの?
鈴木:俺は八ヶ岳サドベリースクールでスタッフをできなくなったとしたら、それは残念だと思う。いや、残念というか、実力不足だったと捉えるかな。でもそれだけが仕事だとは考えていないし、八ヶ岳サドベリースクールで今必要じゃないと判断されても、他のサドベリーではスタッフができると自負している。
ロペス;強気やね(笑)
鈴木:仮に選挙で落ちて仕事にも就けなくなって、どこかで野垂れ死ぬとしても、スクールがそれで良くなってるならいいかな。
ロペス:単純に一真(鈴木)を好き嫌いで判断して、あいつうざいからクビにしようってなることも考えられるんじゃない?
鈴木:もちろんそれもある。ただその結果スクールがうまく行かなくなって潰れるっていうリスクも子どもたちは負っている。スタッフを選挙で選べるということは、当然選挙で選んだ結果に対して責任を負うことになるからね。それくらい子どもたちに責任がある。
ロペス:そうか。それは慎重に判断するね。いやーでも俺は職を失うって、怖いと思うけどな。
鈴木:怖くはないと言うと嘘になるけど。でもだからといってスクールにすがりつくのは間違いで、そうなるとスクールを私物化してしまう。スクールは子どもたちのものであって俺のものではないからね。
今後のビジョン
ロペス:今後、一真(鈴木)個人としてはどうしていきたい?
鈴木:より良い、質の高いサドベリースクールスタッフとは何か、というところを探し求めていきたいと考えている。どんな仕事をするのか、生徒から求められるスタッフとはどのような存在なのか。そういったものを追求していきたいと思っているかな。
ロペス:俺の中では、ずっとストイックにそれを突き詰めているイメージだけどね。
鈴木:いや、初めはそうじゃなかった。ただ「子どもと関わりたい」っていう、単純な動機でサドベリーのスタッフをしていた。今はそうではなくて、もっと質の高いスタッフとは何かを考えて、それを目指していきたいなと思っている。
ロペス:八ヶ岳サドベリースクールのこれからは?
鈴木:それは俺が決めることじゃない。子どもたちが決めること。俺のスクールじゃないからね。子どもたちのスクールだから。
ロペス:子どもたちの学校、そこは徹底してるんやね。
取材を終えて
今回夜行バスで遠方の山梨県まで足を運び、一真(鈴木)に話を聞いてきました。
私と一真。
同じ教育という分野に属していながら、全く思想や手法の違うサドベリースクール。
個人的には「それって大丈夫なのか?」と思うところも多いのですが、これからの時代、こういう今まで無かった形の教育がたくさん出てくるのは、個人的にとても楽しみです。
次はスクールの子どもたちにも話を聞いてみたいな。
今回はここまで。
インタビューに協力してくれてありがとう!!
- 鈴木一真を詳しく知りたい方はこちら
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